審判・再審

審判には、拒絶査定不服審判(特許法121条)、無効審判(特許法123条)、延長登録無効審判(特許法125条の2)、訂正審判(特許法126条)がある。

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    拒絶査定不服審判

    拒絶査定(特許出願についての拒絶査定又は延長登録についての拒絶査定)に不満がある場合には、その謄本の送達後3ヶ月以内に拒絶査定不服の審判を請求することができる(特許法121条1項)。審判の請求書には、請求の趣旨およびその理由等を記載する。請求の理由については、追って補充することができるが、審査官及び審判官が請求人の主張を迅速かつ的確に把握する上で重要であることから、審判請求時において審判請求の理由を実質的な内容をもって明確に記載することが望ましいとされる。

    審判請求は、審決が確定するまでは取り下げることができる。

    拒絶査定不服審判の請求と同時に、明細書、特許請求の範囲、又は図面の補正が可能(自発補正書提出)である(特許法17条の2第1項第4号)。また、拒絶査定の謄本の送達後3ヶ月以内は、その出願を分割することができる(特許法44条)。分割出願を行うことにより、拒絶理由のない請求項につき迅速な権利取得を図ることができる。

    請求の理由を記載せず(若しくは上述の追って補充する旨を記載した)審判請求した場合は、特許庁長官又は審判長より補正命令がなされる。補正命令の指定期間内に審判請求書の補正を行わない場合は、審判請求は却下される。

    拒絶査定不服審判請求における特許請求の範囲の補正は、特許請求の範囲の限定的減縮、請求項の削除、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明のみ認められる。

    拒絶査定不服審判の請求と同時に明細書、特許請求の範囲、又は図面について補正があった場合は、特許庁長官は審判に先立ってその請求を審査官に再び審査させる(前置審査。特許法162条)。通常はもとの審査官が審査することになるが、別の審査官であってもかまわない。審理の結果、審査官は請求に理由があるとする場合は拒絶査定を取り消し、特許査定を行う。

    拒絶査定不服審判の審理方式は書面審理による。ただし、審判長は、当事者の申立により又は職権で、口頭審理によるものとすることができる(特許法145条)。

    審判に関する費用は請求人が負担する(特許法169条)。

    審判の判断(審決という)に不満であれば、この謄本送達後30日以内に特許庁長官を被告として知財高裁に審決取消訴訟を起こすことができる(特許法178条1)。裁判所において審判の審理が不適法であったことが明らかになった場合には、特許庁の審決は取り消される。それでもだめなら最高裁へ上告できる(民訴393条1)。

    拒絶査定不服審判を請求できるのは、拒絶査定を受けた者又はその承継人である。また、特許を受ける権利が共有の場合は、共有者の全員が共同して審判請求しなければならない(特許法132条3)。

    特許無効審判

    平成15年に、公衆審査機能を有する特許異議申し立てを無効審判に一本化する法改正が行われた。ここでの特許異議申し立ては、行政不服審査法上の異議申し立てではなく、特許法上の特許異議申し立てであることに注意しなければならない。

    改正後の無効審判においては、何人も特許無効の審判請求をすることができる。ただし、権利帰属の無効理由については、利害関係人のみが審判請求することができる。

    無効審判は、特許権の消滅後においても請求することができる(特許法123条3項)。また、請求項ごとに請求することができる(同123条1項柱書)。

    共有に係わる特許権について審判を請求するときは、共有者の全員を被請求人として請求しなければならない。

    審判請求理由:特許要件違反、不特許事由違反、補正要件違反、共同出願要件違反、正当権利者でないものの特許、後発事由等。

    無効審判の請求があったときは、請求書の副本が被請求人に送達され、特許権者は答弁書を提出できる。答弁書提出のための指定期間は60日、在外者は90日である。請求人から弁駁書が提出された場合は、審判長はそれが審決の判断に影響を及ぼす場合には被請求人に送達し、相当の期間を指定して、第二答弁書を提出する機会を与える。答弁書に対する弁駁書を提出する機会は必ず与えられるというものではない。

    審判長は、事件が審決をするに熟したときは、審理の終結を当事者に通知する(審決は、審理の終結から20日以内に行わなければならない。)。この通知がされた以後に当事者が攻撃防御方法を提出しても、それを審理の対象にすることはできない

    審判請求は審決が確定するまでは取り下げることができる。しかし、答弁書の提出があった後は、相手方の承諾を得なければ取り下げることができない。

    特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、特許権は初めから存在しなかったものとみなされる(125条)

    審決に不服があるときは知財高裁へ出訴することができるが、確定審決に対して審判手続きの重大な瑕疵があったことが発見されたり、その判断の基礎資料に異常な欠陥のあることが見過ごされていた場合には、再審を請求できる(特許法171条、172条)。

    訂正審判

    特許権の設定登録後に、特許権者が明細書又は図面の記載事項の訂正を請求する。審判合議体による審理がなされ訂正棄却審決又は訂正認容審決が下される。

    訂正の審判の結果、訂正を認める審決が確定したときは、その訂正の効果は出願時まで遡及する(128条)。

    訂正審判は、特許権の消滅後においても請求することができる(特許法126条5項柱書)。

    延長登録無効審判

    特許権の存続期間の延長登録の無効を求める審判である(特許法125条の2)。

    再審

    再審(特許法171条)は、非常の不服申し立て手段である。

    再審を請求することができるのは確定審決に対してであり、知財高裁に審決取消しを求める訴えを提起することができるものや、その訴えを現に提起しているものは審決が確定していないので再審を請求することはできない。

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